ローランスのHook Revealシリーズへの自作地図の入れ方について解説します。
地図の元データをダウンロード
国土交通省のホームページから、地図の元データ(国土数値情報)をダウンロードします。
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html
ダウンロードするファイル形式は、GML(JPGIS2.1)のシェープファイルで、下記ファイルをダウンロードします。
・水域 → 海岸線(ライン)
・水域 → 河川(ライン・ポイント)
・行政区域 → 行政区域(ポリゴン)
ちなみに、海岸線の最新データは平成18年(2020/10/4現在)なので、行政区域も平成18年のデータをダウンロードしてください。行政区域の年号を合わせないと、区域と海岸線のズレが大きくなります。また、日本全国分のダウンロードは時間がかかりすぎるので、自分の行く県のみに限定した方がいいと思います。
例えば、福井県と京都府の地図データを作成したい場合、下記ファイルをダウンロードします。
・海岸線(ライン)
C23-06_18_GML.zip
C23-06_26_GML.zip
・河川(ライン・ポイント)
W05-07_18_GML.zip
W05-09_26_GML.zip
・行政区域(ポリゴン)
N03-06_18_GML.zip
N03-06_26_GML.zip
QGISでシェープファイルを作成
シェープファイルを統合したり、作成したりできるQGISというソフトをダウンロードし、インストールします。Windows(64ビット)なら、OSGeo4Wのネットワークインストーラ(64ビット)を使ってインストールすればいいと思います。
https://www.qgis.org/ja/site/forusers/download.html
インストールが完了したらスタートメニューからQGISを起動してください。
まず、海岸線を読み込みます。
国土数値情報の海岸線のフォルダに入っている「*****_Coastline.shp」というファイルを、真ん中のワークスペースにドラッグ&ドロップします。
福井県と京都府の場合、下記ファイルを読み込みます。
C23-06_18-g_Coastline.shp
C23-06_26-g_Coastline.shp
次に、行政区画データを同じように読み込みます。
福井県と京都府の場合、下記ファイルを読み込みます。
N03-06_18-g_AdministrativeBoundary.shp
N03-06_26-g_AdministrativeBoundary.shp
次に、河川データを同じようにして読み込みます。
福井県と京都府の場合、下記ファイルを読み込みます。
W05-07_18-g_Stream.shp
W05-09_26-g_Stream.shp
次に、海データを作成します。
海データを作成しないと、ローランスの魚探の場合、海が黄色く表示されて見づらくなってしまいます。
ファイル名のブラウズボタンをクリックして、海レイヤの保存場所を指定します。すると、ファイル名のところに保存パスが入ります。(ファイル名だけだとPermission Errorが発生してレイヤを作成できません。なので、パスを入れるようにしてください)
ここではファイル名はsea.shpとしました。
そして、ジオメトリタイプをポリゴンにします。
(ポリゴンとは内部が塗りつぶされる図形を意味します。海の内部を青く塗りつぶしたいのでポリゴンを選択します。)
すると、このようにseaレイヤが作成されます。(下の画像はQGISの左下に表示されるレイヤウィンドウです)
seaレイヤを一番下に表示したいので、クリック&ドラッグして一番下にもってきます。
そして、海パターンを描いていきます。
作成したseaレイヤを選択し、画面上部にある編集モード切替ボタン(黄色い鉛筆マーク)をクリックします。
そして、ポリゴン地物を追加のボタンを押します。これでポリゴンを描くことができるようになります。
左クリックで海の領域を描いていき、最後に右クリックを押すと、地物属性の確認画面が出てくるのでOKボタンを押します。すると、海のポリゴンが描かれます。
海の色は別ソフトでつけるのですが、イメージ確認のために、右側にあるレイヤスタイルで青色にしてみます。いい感じに描けていますね。
次に、県ごとに分かれているシェープファイルを統合します。
入力レイヤのブラウズボタンを押して、統合したいレイヤを選択します。
まず海岸線データを統合したいので、海岸線レイヤを選択します。
たとえば、下記レイヤです。
C23-06_18-g_Coastline.shp
C23-06_26-g_Coastline.shp
出力レイヤは、同じくブラウズボタンを押しファイルに保存を選択。レイヤの保存パスとファイル名を指定します。(ここではcoast.shpとしました)
そして、実行を押すと海岸線が統合されたレイヤが作成・保存されます。
同じようにして、河川と行政区画のレイヤも統合します。
それぞれstream.shp、admi.shpとしました。
この段階で下記のシェープファイルが準備できたことになります。
coast.shp
stream.shp
admi.shp
sea.shp
統合したファイルをQGISで読み込んでみて、ちゃんと統合されているか確認するとよいです。
以前、自作した海レイヤが正しく出力されておらず、1レイヤのみですがマージを実行すると正しく出力されるといった時がありました。
InsightMapCreatorでAT5ファイルの作成
InsightMapCreatorというソフトで、シェープファイルからローランスの魚探で読める地図データのAT5ファイルを作成します。
InsightMapCreatorをダウンロード
Download Link Inisght Map Creator (IMC) (TackleFever)
ダウンロードしたらソフトウェアを起動します。
そして、View>Processing Mode>Attribute Mode Windowを選択
各シェープファイルごとに、レイヤ情報を登録していきます。
どのレイヤでもL_LIMITは0、U_LIMITは19です。
COLORの番号は一例として黒が0、青が44、黄色が24、水色が182です。
LAYERは小さい番号ほど上の層になり、1が最小、100が最大です。
これらの情報をAdd New Conversion Ruleを押して追加していき、InputにQGISで作ったシェープファイル、Outputに出力ファイルのパスを指定して、Buildボタンを押します。
例として、出力ファイルには_IMCをつけました。
■海岸線の設定例
■河川の設定例
■行政区画の設定例
■海の設定例
以上で下記のレイヤ情報が登録されたシェープファイルが作成されたはずです。
coast_IMC.shp
stream_IMC.shp
admi_IMC.shp
sea_IMC.shp
次に、View>ProProcessing Modes > Vector Mode Windowを選択
Add Filesで作成したシェープファイルを選択し、WorkDirectoryのパスを選択。そして、Buildを押します。すると、統合処理が始まります。
処理が完了すると、ワークディレクトリ内にAT5ファイルが出力されます。
作成したAT5ファイルを魚探のSDカードに入れると、↓のような地図が表示されるようになります。
以上です。
手順はかなりややこしいですが、自分の好きな地図が作れるようになるのでとても便利です。
■参考サイト
萩の月 | LOWRANCE GPS魚探用AT5マップ作成(補足)
紙つぶて 細く永く | QGIS電子地図操作 第11回 QGIS3.0アップに伴う改編